すぐ実践!ポートレイト撮影3つの掟

家族のスナップや旅行の思い出、結婚式の記念撮影など、人物写真は初心者でも挑戦する機会の多いジャンルだと思います。写った方の思い出にも残りますし、まして一眼レフを持ったからには、携帯やコンデジでは撮れない洗練された1枚を撮りたいですよね。

そこで、一眼レフデビューを果たした初心者の方向けに、ポートレイト撮影上達のポイントを3つに絞ってまとめたいと思います。

掟その1:ストロボの発光を和らげるべし!

ポートレイトの失敗で多いのは、内蔵ストロボを直接被写体に当ててしまうことです。ストロボを使って撮ったポートレイトをご本人が見ると「え、私こんな顔してない…」などと、残念な写りになってしまうことが多いもの。ストロボ撮影は百害あって一利なしです!

本当は、ポートレイト撮影には日中の屋外が最適なのですが、屋内で撮りたい場面、特に夜のレストランや披露宴会場など、照明が暗めの場所での撮影機会も多いものです。

どうすれば、暗い屋内でも自然なポートレイトが撮れるのか?その方法は「発光を抑えたストロボを使うこと」です。でも、お手持ちの一眼レフにストロボ発光の調節なんて機能はついていないですよね。プロカメラマンなら、外付けのストロボを壁に反射させたり、反射板を使ったりしてソフトライトを当てるというテクニックが一般的です。でも、特別な機材を揃えなくても、ほんの少しの工夫で、プロのテクニックに近づくことができます。

薄く白い生地のはぎれ布、あるいはトレーシングペーパーをストロボライトにかぶせるように固定してみましょう。これだけでかなりの効果があります。ストロボなし、ストロボあり、光量調節(ディフューザー)ありの3種類を撮り比べてみれば、その差は一目瞭然。特に暗い室内で撮る場合、ディフューザーを使ったものが最も自然な表現になるはずです。

掟その2:はい、チーズ!をやめるべし!

記念撮影と言えば声を揃えて「はい、チーズ!」。ピースと決め顔で写るのが日本人の伝統…ですが、この構図、「作品」と呼ぶにはちょっとお粗末だと思いませんか。せっかく一眼レフで撮るのだから、ありきたりな記念写真は卒業しましょう。

ところで、プロのカメラマンがアマチュアにどうしてもかなわないテクニックがあると言います。それは、被写体の自然な表情を引き出すこと。特に結婚式などでその日限り担当されるカメラマンの方は、親しい友人やご家族の撮る表情を、捉えきれないことがあると言います。写真には、被写体と撮影者の間の距離感まで写るのです。

せっかく親しい方を写すなら、相手の一番自然な表情を撮りたいものです。「普通に話していてくれれば良いです」と言って、談笑している姿を撮るのもテクニックのひとつ。私は、被写体の方が食事の一口めを口にした瞬間に「美味しい?」と訊いたり、新郎新婦に「今、幸せですか?」と声をかけたりします。記念写真だからと言って、カメラ目線でなくて良いのです。相手の緊張をほぐし、カメラを意識させずに自然な笑顔を引き出すことは、親しい間柄だからこそできる撮影テクニックです。

掟その3:単焦点レンズを使うべし!

写真の表現の幅は、カメラ本体のスペックよりも、レンズ選びで決まると言えます。一眼レフの交換レンズは被写体との相性で選ぶのが鉄則。特にポートレイト撮影に最適なのは、単焦点レンズです。少し値段が張る印象を持たれやすいですが、人物写真を撮ることが多い方、特に初心者の方はぜひ検討してほしいのが単焦点レンズ。人物のほか、料理の撮影にも適しています。レンズ自体の明るさ(F値)も明るく、前述の暗がりでの撮影にもとても便利です。

なにより、単焦点レンズは精細なフォーカスと背景ボケのコントラストを最も効果的に表現してくれます。背景をぼかし、人物を際立たせたポートレイトは、一眼レフの醍醐味です。単焦点レンズ1本で、どこがメインかわかりにくいべたっとした写真から、洗練された作品へレベルアップ。その効果はまるで魔法のようです。

いかがでしたか?

もっと上達したいと思う方に単焦点レンズをおすすめしたいもうひとつの理由を、最後にご紹介しましょう。

単焦点レンズはズーム機能が一切ないため、被写体を大きく写すときには自分が近づき、小さく写したいときには自分が遠ざからなくてはなりません。構図を意識した作品づくりを実践で学ぶために、単焦点レンズを手持ちの機材に加えれば、ご自身の腕も磨かれることは間違いありません。